◎丸洗い（生洗い）

丸洗いとは着物を解かずに「ドライクリーング」する加工を言います。業者、小売店などにより「生洗い」や「京洗い」と呼ぶ場合もありますが同じ加工です。
生洗い後に乾いた蒸気の特殊なアイロンで生地が潰れて光がでないようにして仕上げます。生地がアイロンの熱で一度光ってしまうと元に戻らない事が多いので仕上げには熟練した技術が必要となります。
加工先によって使用する溶剤、加工の手間のかけ方が違うために仕上り状態、料金も様々です。価格が安いだけの生洗いでは仕上り状態に大きな差が出てしまいます。大切なお着物ですので、熟練した職人の丁寧な作業が必要とされます。

◎洗い張り

洗い張りは、着物を一旦解いてから洗濯する方法で、着物をいつまでも美しく保つために大切な加工の一つです。
昔は一般家庭でもおこなわれていましたが、現在では熟練した専門職人へ依頼する方法しかありません。

≪洗い張りの工程≫　①本解き（端縫いをして反物の状態に戻す） ⇒ ②水洗い ⇒ ③湯のし ⇒ ④仕上げ
仕立上っている着物を完全に解き、袖や衿などバラバラになった各パーツを縫い合せて反物の状態にしたあと水洗いします。
水洗いするとほとんどの着物の生地は縮みますので、湯のしをする事で風合いを整え巾出しをします。
最後の工程として仕上げになりますが、生地の裏側から丹念にアイロンをあてて生地の目を整えます。
一連の作業の後、お仕立てをして完成です。

◎シミ抜き

シミにはいろいろな種類があり、シミが付いてから経過した日数によってもシミ抜は異なります。着物を長期間着用せず、定期的なお手入れをしないまま箪笥にしまっておく事によりカビ（黄変シミ）が発生しやすくなります。
庵に持ち込まれるお着物にもカビ（黄変シミ）が20年～30年経過したものがございます。このようなカビ（黄変シミ）をシミ抜きするには熟練した職人の技術と経験が必要です。シミ抜きは汚れの原因や程度によって生地やシミの状態をテストし、テスト後にお見積りをさせていただきます。（時間の経過したシミやカビの場合テストに10日前後かかる場合がございます。）
庵では熟練した技術と経験を持つ職人と提携しておりますので、シミ・カビ等でお困りの事がありましたらご遠慮なくご相談下さい。

◎お仕立て直し（寸法直し）

お母様から譲り受けた着物などの場合はご自分の寸法と合わない場合があります。そんな時、ご自分の寸法に合わせて寸法直しをする事により着やすくなります。
着物によって縫い込みが少ない場合などは思うように寸法が出せない場合もあります。寸法直しをする場合は寸法直しする部分を解いて、筋けしをしたあとお仕立てするのが一般的ですが、時間が経過しているような着物の場合は一度洗い張りをしてお仕立直しをすると、着物の柄も鮮やかにすっきりして新しい着物のような感じでお召しいただけます。

◎染め替え

派手になった着物の地色を現在のご年代に合った色目に染め替える事ができます。薄い地色から濃い地色へ染め替えをするのが一般的ですが、完全に色抜きをして白生地の状態へ戻し、お好みの色へ染め替える事も可能です。
その他、柄足し、焼け直し、刺繍加工など様々な加工ができますのでお気軽にご相談下さい。

価格のご案内

※生洗いの価格について

着物により価格が変わる場合がございますので、お問合わせ下さい。更にシミ抜きが必要な場合は別途お見積りをお出しします。

※洗い張りの価格について

総絞り、刺繍、生地の状態、解き難、カビによる洗いなどお着物により追加料金が必要な場合がございます。まずはお着物の状態を見て詳細なお見積りをお出ししますので、お気軽にご相談下さい。

お手入れに関するお問合せ
またはお電話 03-5565-6620まで